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医院案内|川崎市幸区の小児科・皮膚科|ミューザ川崎こどもクリニック

幼児のナッツアレルギーが増えています!

食物アレルギーの原因は、鶏卵、牛乳、小麦が多いということはよく知られており、これらで6割強(0歳児では95%)を占めます。その他の原因食物としては、ピーナッツや甲殻類(エビ・カニ)、そばなどをイメージされる方が多いのではないでしょうか。ピーナッツは、外見がナッツと似ているためナッツ類(木の実類)だと思われがちですが、実は豆類であり、大豆の仲間です。今回は、ピーナッツを含まない本来の「ナッツアレルギー」についてお話ししたいと思います。

 

実は、ここ10年間でナッツ類のアレルギーが急増しています。2020年の調査では、ナッツ類は食物アレルギーの原因食物の第4位で、ピーナッツ(第5位)よりも多いという結果でした。また、年齢別の新規発症の食物アレルギーの調査では、ナッツ類は、1~2歳で第3位、3~6歳ではなんと第1位という結果であり、幼児のナッツアレルギーが増えていることが分かりました。食文化の欧米化により、日本のナッツ類の輸入量や消費量が増えていることが原因のひとつと考えられています。ナッツ類アレルギーの内訳は、クルミが約60%、カシューナッツが20%、アーモンドが5%で、特にクルミカシューナッツを初めて食べるときには注意が必要です。平日にごく少量から試すようにし、血液検査で陽性と分かっているお子さんについては、ご家族の判断で試さず、医師に相談しましょう。

 

ナッツ類はひとまとめに考えられがちですが、クルミはブナ目クルミ科クルミ属、カシューナッツはムクロジ目ウルシ科カシューナットノキ属、アーモンドはバラ目バラ科サクラ属、、、と各々のナッツは生物学的な分類が異なるため、ナッツ類アレルギーの患者さんでも全種類のナッツが食べられないわけではありません。

 

血液検査や食物負荷試験(病院で実際に食べる検査)を行うことで、アレルギーのあるナッツを調べることができます。保育園や学校の給食では一般的にナッツ類は出ませんが、市販されているおやつ(焼き菓子やチョコレート類)、パン、ドレッシング、カレールーなどにはナッツ類が含まれることがあるので注意が必要です。

 

ナッツ類のアレルギーが心配な患者さんは、アレルギー専門外来に御相談にいらして下さい。

院長 河野 一樹
記事監修
院長 河野 一樹

慶応義塾大学病院 小児科、大和市立病院 小児科、埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立清瀬小児病院 小児循環器科。

日本小児科学会(小児科専門医)、小児循環器学会、日本外来小児科学会

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小児科顧問 三井 俊賢
小児科顧問 三井 俊賢

慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)

医学博士、小児科専門医、小児科指導医

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