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医院案内|川崎市幸区の小児科・皮膚科|ミューザ川崎こどもクリニック

SIDSをご存じですか? ~お子さんを不慮の死から守るために~

SIDSをご存じですか?日本語で「乳児突然死症候群」という名前の病気です。

SIDSは1歳以下の子、特に2~6か月の子に起こる原因不明で睡眠中に起こる不慮の突然死をもたらす症候群です。少し怖い響きの病気ですよね。あまり聞きなじみもない病気かもしれません。しかし0歳児の死亡の原因の3~4位を占めている病気で、決して稀な病気ではありません。

まだハッキリとした原因はわかっていませんが、リスクになる要因はいろいろ分かってきています。その対策の結果、死亡者数は年々減ってきています。しかしまだゼロにはならないので、さらなる予防は必要です。

子ども家庭庁では、冬にSIDSが多くなることから11月を啓蒙月間としてSIDSの予防に力を入れています。具体的には

a. 1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう

b. できるだけ母乳で育てましょう

c. たばこをやめましょう

この3つをあげています。

母乳に関しては母乳が出ない方や、母乳育児が困難な方など、SIDSを予防するためにミルクを使わないことで他の弊害が出てしまいます。必要に応じてミルクも使用していきましょう。分からないことがあれば、医師に相談してください。

また米国小児科学会や、米国疾病予防対策センターはSIDSと窒息を同時に予防するため、上記に加えて以下のことを提案しています。

①適切な睡眠環境、硬い寝具を使いましょう。

大人が使うやわらかい寝具は、窒息やSIDSの危険性があります。

赤ちゃんの寝具は専用の硬いマットレスを使用しましょう。

ふわふわの毛布や枕、ぬいぐるみはベッドに置いておかないようにしましょう。掛け布団も軽いものにしてあげましょう。
添い乳をするときは、毛布などの柔らかいものをどかしましょう。終わったら大人のベッドでうたたねをしないように、すぐにベビーベッドに戻しましょう。

4~6か月になるまで大人と同じ寝具でのザコ寝も危険です。

②顔を覆ったり、熱くしすぎないこと。

顔に布などがかかると自分で振り払えないので窒息の原因になります。

布団が顔にかかり息ができなくなる恐れがあります。布団を浅めにかけましょう。

スタイなどの顔にかかるもの、首に絡むものを睡眠中は外しましょう。

熱がこもらないようにしましょう。汗をかかない程度が目安です。

③起きているときに、うつぶせの時間を設けましょう。

うつぶせ寝はSIDSのリスクですが、頭位斜頭症(絶壁頭)のリスクが上がります。

子どもが起きていて、親がずっと見ていられる時にうつぶせの時間を設けましょう。

具体的には退院後から、生後7週までゆっくり時間数をふやし、最終的に1日15~30分を目安に行ってあげてください。

④夜間や、疲れている時の授乳の時に、ソファなどでの一人での授乳を避けましょう。

授乳中に親が寝落ちしてしまうと大変危険です。疲れに気をつけ、眠ってしまいそうなときはソファなどは避けましょう。またそういったときの授乳は誰かに付き添ってもらい、寝てしまったら赤ちゃんをベビーベッドに移動させてあげましょう。

⑤赤ちゃんに定期接種を受けさせてあげましょう

睡眠中に起こる病気のため、睡眠環境を整えてあげることが重要となります。赤ちゃんがいらっしゃるご家庭は、お子さんの睡眠環境を一度見直してあげて下さい

参考

子ども家庭庁HP

https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids/

米国小児科学会

https://publications.aap.org/pediatrics/article/150/1/e2022057990/188304/Sleep-Related-Infant-Deaths-Updated-2022?autologincheck=redirected


ミューザ川崎こどもクリニック 小児科
三浦 太郎
20230401_policies_boshihoken_kenkou_sids_12

院長 河野 一樹
記事監修
院長 河野 一樹

慶応義塾大学病院 小児科、大和市立病院 小児科、埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立清瀬小児病院 小児循環器科。

日本小児科学会(小児科専門医)、小児循環器学会、日本外来小児科学会

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小児科顧問 三井 俊賢
小児科顧問 三井 俊賢

慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)

医学博士、小児科専門医、小児科指導医

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