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中高生女子の予防接種 ~知っていますか?子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)~  

赤ちゃんの頃から怒涛のように行われる予防接種も小学校にあがるとひと段落ですね。子どもが大きくなると母子手帳をみる機会も小児科を受診する機会もめっきりと減ると思いますが、9歳の日本脳炎、11歳の二種混合(DT)は済みましたか?

 

今日はその後に続く「子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)」のお話です。

HPVワクチンは小学校6年生から高校1年生の女子が公費助成(無料)で受けることのできるワクチンです。標準的には中学校1年生となる年度に3回接種しますが、これまでに受けた定期接種ワクチンのように自治体から問診票が送られてくることはありません。2013年に定期接種となりましたが、その直後に副作用の可能性がマスコミで大々的に報道され、「積極的勧奨の中止」(積極的には接種を勧めない状態)となっているためです。そのため自分の子供が該当年齢であることを知らずに過ごされている親御さんもおられるのではないかと思います。

小学校6年生から高校1年生まで定期接種の対象ですが、3回の接種が必要で、初回接種後6カ月後に3回目の接種になるので、遅くとも高校1年生の9月までに開始しないと定期接種から外れてしまいます。定期接種をはずれると任意接種(有料)となり、1回16000円×3回=48000円の費用がかかります。

ワクチン接種を希望される場合は、川崎市健康福祉局保健所感染症対策課(電話044-200-2440)に連絡し問診票をご用意のうえ、ワクチン外来をご予約ください。

 

「まわりの子は全然受けてないみたいだし、うちも止めとこう」とすぐに結論を出さず、少しだけこの先を読んでみてください。定期接種開始当時70%台だった接種率は2002年度以降生まれでは1%未満と算出されていますので、知り合いで接種している人がいなくても不思議ではありません。

日本では年間約1万人が子宮頸がんに罹患し、約3000人が死亡しています。子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。このウイルスはありふれたもので、性的接触により男女問わず多くの人々(性交渉の経験がある女性のうち5~8割)が感染します。既に感染したウイルスをワクチンで排除することはできないので、性交渉を経験する前の10歳代前半に接種することが推奨されています。

現在、世界の80か国以上でHPVワクチンの公費助成が行われており、ワクチン接種と検診の普及により、多くの国で子宮頸がんは減少しています。しかし、日本ではやや増加、特に30歳代の患者さんが増えています。前がん病変や初期の早期がんで発見されれば子宮の温存も可能ですが、将来の妊娠・出産に影響が出る可能性もあります。進行がんでは、救命できても妊娠できなくなったり、様々な後遺症で苦しむ患者さんが少なくありません。子宮頸がんは最も予防しやすいがんといわれています。ワクチンの存在を知らずに大人になり、予防できる「がん」になってしまうのはとても残念なことだと思います。

 

HPVワクチンは肩に筋肉注射します。注射部位の一時的な痛み、腫れなどが8割の方に生じます。また、注射の痛みや不安で失神(迷走神経反射)を起こした事例も報告されていますが、これは採血や点滴でも起こるもので、横になった状態で注射をしたり、接種直後30分程度安静にすることで対応が可能です。アナフィラキシーその他の重い副作用も稀にありますがHPVワクチンで特別に高いわけではありません。

 

副反応の可能性はゼロではありませんので(赤ちゃんの頃から接種してきた様々なワクチンと同様に!)心配は当然だと思います。まずはこのワクチンの存在を知っていただき、メリット、デメリットを天秤にかけていただいたうえで接種を受けるか受けないかを決めていただければと思っています。

 

子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会)http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

厚生労働省 予防接種情報 ヒトパピローマウイルス感染症(HPVワクチン)https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html

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