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最近食物アレルギーをお持ちのお子さんが増えています。離乳食の進め方についてご心配され、相談にいらっしゃる方も多いです。乳児期の食物アレルギーの原因としては、鶏卵、牛乳、小麦が大多数です。幼児期以降には、魚卵、ナッツ類、甲殻類、そば、果物などのアレルギーを発症することがあり、特に食生活の欧米化に伴い、最近日本でもナッツ類(ピーナッツ、くるみ、カシューナッツ等)アレルギーのお子さんが増えています。
食物アレルギーは一般的に、食後2時間以内に症状が出ます。皮膚(蕁麻疹、赤くなる、痒くなる)の症状がでることが多く、見た目が派手な症状なため驚かれる親御さんが多いですが、皮膚の症状のみでは命に関わることはありません。しかし、2割程度の方に呼吸器(咳、ぜーぜー、呼吸苦)や消化管(嘔吐、下痢、腹痛)の症状が出て、1割の方がアナフィラキシーといわれる命にかかわる重篤な状態となるため、十分な注意が必要です。
当院ではアレルギー検査(採血)を行い、その後除去や摂取の進め方についてお話しています。アレルギーが疑われる食べ物を院内で食べて症状が出るか2時間程度観察を行う「食物経口負荷試験」という検査も6月から開始しました。乳幼児期の鶏卵・牛乳・小麦アレルギーはお子さんの成長とともに治っていく(食べられるようになる)ことが多いため、アレルギーと診断された場合にもずっと除去を続けるのではなく、安全に食べられる量を評価して計画的に食べていくことが大切です。
「これってアレルギー?」と気になる症状がみられた場合は是非お気軽に御相談下さい。食物アレルギーのあるお子さんやご家族の方が、安心、安全に楽しくお食事ができるようサポートしていきます。
慶応義塾大学病院 小児科、大和市立病院 小児科、埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立清瀬小児病院 小児循環器科。
日本小児科学会(小児科専門医)、小児循環器学会、日本外来小児科学会
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)
医学博士、小児科専門医、小児科指導医