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この2年間、感染対策の徹底、海外渡航の自粛、ワクチン接種により、インフルエンザの流行は見られませんでした。しかし、今冬はインフルエンザの流行が懸念されています。それに伴い、今シーズンのインフルエンザワクチン接種が強く推奨されています。なぜ、今シーズンは注意が必要なのか、お話いたします。
オーストラリアのインフルエンザの流行は、北半球の流行予測をする良い指標と言われております。オーストラリアにおけるインフルエンザ流行状況(2022年6月19日現在)は、2022年4月以降、急激な報告例の増加、感染者数のピークは、過去5年間を超えています。
冬を迎えているオーストラリアでは新型コロナとインフルエンザの同時流行がみられています。
コロナとインフルエンザの同時流行が起きた場合、医療逼迫(ひっぱく)による、本来は診ることができる疾患が診れなくなる状況になることを懸念しています。
2年間、新型コロナの流行によって風邪の流行がほぼない状況で、一般的な風邪やインフルエンザに対する免疫がコロナ以前と比べると落ちていることは十分に考えられます。現に、4月以降のコロナ以外の風邪が流行しているのは、このためかも知れません。もし、インフルエンザが流行すると広がる可能性があるかもしれません。
MEMO:6/22に都内の小学校のインフルエンザによる学年閉鎖に
都内の公立学校でインフルエンザによる学年閉鎖や学級閉鎖が行われるのは、2020年3月初旬以降、およそ2年ぶりとなります。
今シーズンのインフルエンザワクチン接種に関する日本ワクチン学会の見解
2022年6月に出された日本ワクチン学会の見解では、2022-23シーズンのインフルエンザワクチン接種を強く推奨し、とくに接種が推奨される方に、確実にインフルエンザワクチンが接種可能な体制を早期に準備しておくことが重要と示されています。
2022-23シーズンの季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解
以上から、今冬は、インフルエンザ流行が懸念されています。コロナとの同時流行は医療逼迫(ひっぱく)を起こし、通常の診療が行えなくなる可能性が大いにあります。そのため、2022-23シーズンのインフルエンザワクチン接種を強く推奨されています。インフルエンザの予防として、最も効果的な方法はインフルエンザワクチンの接種です。また、ワクチン接種でインフルエンザに罹ったとしても重症化を防ぐ効果もあることが分かっています。
医療法人社団 育心会
理事長 三井俊賢
慶応義塾大学病院 小児科、大和市立病院 小児科、埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立清瀬小児病院 小児循環器科。
日本小児科学会(小児科専門医)、小児循環器学会、日本外来小児科学会
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)
医学博士、小児科専門医、小児科指導医