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秋から冬に流行する感染症には,以前にお話ししたRSウイルスやインフルエンザ以外に、溶連菌咽頭炎・マイコプラズマ感染症・感染性胃腸炎(ノロウイルス)などがあります。
①溶連菌咽頭炎
溶連菌咽頭炎は,A群β溶血性連鎖球菌による感染症です。症状は,発熱と頭痛,のどの痛み,食欲不振,吐き気などです。のどが赤くなり,舌の表面にブツブツの赤みができることが多く(いちご舌),唇や口の中も真っ赤になります。首のリンパ節が腫れて痛むことや,発疹が全身に出ることもあります。
治療は,抗生物質を5~10日服用します。服用を途中でやめてしまうと,腎炎などを合併する危険度が高くなります。
②マイコプラズマ感染症
マイコプラズマによる感染症で、幼児や学童に多く見られます。長引く咳、熱、普通の風邪薬では効かないのが特徴です。気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。マイコプラズマに対する抗生剤を使って治療します。ゼイゼイすることがあるので、一時的に喘息の治療を加えることもあります。
③感染性胃腸炎(ノロウイルス)
原因は,ウイルスや細菌などです。ノロウイルスは,その原因の一つです。感染すると,吐気,嘔吐,下痢,腹痛,発熱などの症状が出ます。乳幼児では,脱水症に注意する必要があります。ノロウイルスに汚染された,下痢便,吐物,おむつは,次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)で消毒する必要があります。ノロウイルス対策用の消毒液(次亜塩素酸ナトリウム濃度0.1%)は家庭用塩素系漂白剤10mL(ペットボトルのキャップ2杯分)+水0.5L(500mLペットボトル1本)で、ペットボトルを使用すると簡単に作ることができます。
慶応義塾大学病院 小児科、大和市立病院 小児科、埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立清瀬小児病院 小児循環器科。
日本小児科学会(小児科専門医)、小児循環器学会、日本外来小児科学会
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)
医学博士、小児科専門医、小児科指導医