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外来では、いつの間にかお子さんの下腹部や足の付け根付近にぽっこりした膨らみがあることに気づきました、というご相談がしばしばあります。触っても痛がらないし、引っ込んでいることもあるし、何だろう?と様子を見ていても変わらないので受診する、というケースが一番多い印象です。
これは、腹壁(お腹の筋肉)に欠損やもともと脆弱な部分ができていて、そこから腸管などが飛び出てしまうヘルニアという状態が疑われます。お腹に生じるヘルニアの中では、鼠径部(足の付け根付近)にできる鼠径ヘルニアが最も多く、約80%を占めます。
腸管が見え隠れしているだけであれば特に症状はないのですが、狭い出入り口に腸管が引っかかって戻らず血流が悪くなってしまう嵌頓(かんとん)が起こってしまうと、痛みが出て、放置すると腸閉塞や壊死を起こしてしまうことがあるため、その際は緊急の対応が必要となります。(ちなみに、「出べそ」の臍ヘルニアで嵌頓を起こすことは極めて稀です。)
1歳未満では自然治癒することもありますが、大抵の場合は無症状でも早めに小児外科での経過観察や治療が必要です。当院でも、疑わしい方は近隣の小児外科にご紹介していますので、気になるところがある方はお気軽にご相談ください。
慶応義塾大学病院 小児科、大和市立病院 小児科、埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立清瀬小児病院 小児循環器科。
日本小児科学会(小児科専門医)、小児循環器学会、日本外来小児科学会
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)
医学博士、小児科専門医、小児科指導医