blog
blog
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、多くの男性・女性が感染する一般的なウイルスです。
子宮頸がんの原因ウイルスであるとの認識が強いため、女性のみがかかると思っている方もいますが男性も感染します。
感染しても大部分が無症状で自覚症状はなく、1年以内に70%が、2年以内に約90%が自然消失するといわれています。
しかし、一部がそのままとどまり長い間排除されずに感染したままでいると、下記のようながんが発生すると考えられています。
女性 | 子宮頸がん、肛門がん、膣がん、(がん以外では)尖圭コンジローマ |
男性 | 中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、(がん以外では)尖圭コンジローマ |
HPVは性的な行為でうつし合うこと、ワクチンではすでに感染しているHPVを排除できないこと、すでに進行しているHPV関連の病変を抑制する効果はないことから、日本での適応を守って、初めての性行為の前に接種することが効果的と考えられます。
そうすることにより、女性においても男性においても、上記のがんはワクチンで高い確率で予防できると考えられます。
すでにワクチン接種を導入している欧米諸国では、前がん病変(がんと診断される前の病気の状態)の発症率が抑えられています。
2020年にはスウェーデンから、HPVワクチンが子宮頸がんの発症率そのものを減少させたとの報告もありました。
日本において、令和5年4月より、女性は9価ワクチン「シルガード9®」が公費で接種できるようになりました。
これまでガーダシルを接種した方でも異なるHPVワクチンを接種する交互接種が行えます。
更には、キャッチアップ接種と呼びますが、1997年4月2日から2008年4月1日生まれまでの女性への助成も開始されています(2024年5月現在)。
当院では、HPVワクチン接種の際に痛みに配慮し、接種前に鎮痛作用のあるテープを貼る対応も行っています。
お問合せや接種のご希望がありましたら、当院までお電話(044-542-8868)ください。
慶応義塾大学病院 小児科、大和市立病院 小児科、埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科、横浜市立市民病院 小児科、東京都立清瀬小児病院 小児循環器科。
日本小児科学会(小児科専門医)、小児循環器学会、日本外来小児科学会
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)
医学博士、小児科専門医、小児科指導医